トレーニング1 でトレモロの指の動きに慣れて、ami の各指への意識が高まってきたと思います。音もよくなってきたことでしょう!
このトレーニング2 で実践的に使えるトレモロに成長させてください。
応用曲として「さくら」を用意しました。
2-1 応用編:右手のポジション(弦)を変える
テーマは2つ。
1 2弦でのトレモロ
2 pの移弦
1 2弦でのトレモロ
2弦や3弦でのトレモロは1弦に比べてはるかに難しくなりますが、1弦だけのトレモロ曲は少なく、やはり練習が必要です。
アルハンブラの思い出」の出だしはタレガの指定通り2弦で弾きたいですね。少しヴィブラートもかけて香りの感じられる音で始めたい!
*練習はトレーニング1 を、ami を2弦、p を4弦などに変えてやります。
難しいのは、長いm が、高音側の弦に触れやすいことです。「アルハンブラの思い出」の11,12小節で1弦に触れてしまって悔しい思いをしたことが何度あることか! mを大振りしないように気をつけるしかないのですが、そのために全体が貧弱な音になってもいけない。練習+本番の集中ですね。
2 pの移弦
「移弦」とは文字通り弦を移ることで、どの指にも大切なことですが、特にp は守備範囲が広いので、「移弦」を意識する必要があります。しかもタッチによって音色も変わるし、消音にも気をつかわなくてはならないのでp は大変!
* p の先取り
移弦のコツは、「先取り」です。弾くタイミングより前にpを弦に置いて準備します。トレモロではamiを弾いているので難しいのですが、とても大切なテクニックです。根気よくやってください。
弦に置くことを意識するために、初めはp で弦を強く押すようにつかみます。楽譜の休符にアクセントがあるのはその意味です。
鳴っている弦を先取りすると当然音を止めることになりますが、初めは弦に置くことを優先して、しっかり止めます。
トレーニング は1-B の 1[ p トレ]の応用です。
「タカタカタッタッ」のリズムです。pamip p [ピアマイピッピッ] にp を弦上に止める休符t (ト)を加えます。声を出して、左手チョキでの練習も有効です。
「レディ・セット・ゴー・リラックス」も忘れずに!
楽譜・動画は下をクリック
音楽的にはソフトに置いた方がいいことも多いので、慣れてきたらソッと置くことも練習してください。
そして先取りのタイミングや強さは、音楽の表情や流れとも関係してきます。このトレーニングで基本の形ができたら、実際の曲の中で、どのようにするのがその場にふさわしいかを考えてください。まずは後にあげる「さくら」でどうぞ!
トレモロ以外でも、低音弦の消音や手の支えのためにp を弦に置くことは多く、このトレーニングは様々に役に立つはずです。
(3、4では上声のトレモロの最後の音がソになっていますが、これはp の休符 tの位置を分かりやすくするためですので、このソは弾きません。)
*p の移弦
できるようになって来たら、p が先取りする弦を変えて練習します=移弦。(No.6)
楽譜には3、4弦の例しかありませんが、自分なりに弦を変えて自由に練習してください。
トレモロ(ami)が1弦の時、p は2〜6弦を担当することになります。けっこう広い幅がありますね。
左手上での練習が効果的です。左手の指を伸ばして、甲側から小指にami 、人差し指の付け根にp を置くと、6本の弦の幅に近くなりますので、上から指の動きを見ながらp の移弦の練習ができます。ami の動きにあまり影響しないp の動きを研究してください。
2-2 応用曲: さくら/日本古謡
楽譜 さくら
p指がメロディーを弾き、ami のトレモロは伴奏です。
トレモロはずっと1弦開放弦を弾きます。開放弦をきれいに弾くことはとても大切です。音の粒のそろいと同時に、音色にも耳を傾けましょう。
p でのメロディーは自分の好きないい音で弾いてください。p の課題は、メロディーを歌うことと、メロディーでない相の手の音とのバランスです。何回かある6弦と2弦の開放弦への移弦に注意して、きれいに弾いてください。
間の取り方や、強弱など、動画を参考にして、自由に楽しんでください。