<音楽美の世界へ>
『音楽美』などというと難しそうに感じますが、その曲がどう作られていて、どこに魅力や面白さを感じるか‥そしてギターの音がそれをどう表現しているかを考えることです。
*たとえば「月光」と呼ばれる中級のソルのエチュード(op.35-22)はなぜあんなに美しいのか!?(美しいですよね?)
メロディーは2分音符と4分音符のタータ、タータのリズムの単調な繰り返しで、アルペジオのパターンも一定。でもまったく飽きない‥‥これはハーモニー(コード進行)の力です。それも次々に色を変えていくのでも、すごく特殊なことをしているのでもありません。ルーティン(定型)的なコード進行による曲全体の『構成』が素晴らしいのです。
後半の初めの8小節はトニック(Bm)とドミナント(F#7)が小節ごとに交代するだけですが、旋律の弦が代わって微妙なニュアンスを醸します。そして次の8小節はB7-Em、A7-D、ConE(ナポリの6度)、E#dim.7という劇的な変化!〜ひと息おいて最初のパターンに戻り、最後はもうひとつ山を登ってから終わる。最後まで聴く人の興味を引き続けます。
いやあ、ソルはすごい!!
こんな風に曲のつくりを知って弾くことはとても面白いことですし、曲と作曲家へのリスペクトをあ表すことでもあります。
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音楽は理屈抜きに感じることが一番大切です。そしてなぜそんな風に感じられるのかを考えることで、その音楽とギターの魅力をより深く味わい、楽しむことができると思います。